第２０話：トキメキ文化祭　

「先生、久しぶり！」

そう言ってさわやかに登場した水野君。

県下でもトップレベルの『私立永青学園』に通っていると聞いていたが、薄いブルーのワイシャツに紺のズボンの永青の制服姿を見るのは初めてだ。

男のおれから見ても水野君は、やっぱりさわやかでかっこいい。

それに比べて、今のおれは『執事』のコスプレ姿だ・・・。

「ひ、久しぶり、水野君」

とりあえずあいさつをすると、水野君はおれをジッと見つめ、
「西森からチラッと『執事カフェ』をやるって聞いていましたけど、先生も参加していたんですね」
と言ってきたので、急に恥ずかしくなり衣装を看板で隠しながら、

「あ・・・うん・・・。
強制参加というか・・・」
と、水野君と会話していると、
「ちょっと高山ちゃん！」
とクラスの女子達がおれの腕を引っ張る。

「え？何？」

何事かと思い首をかしげていると、女子達は小声で、
「なんで、永青の水野君と知り合いなの！？」
と聞いてきたので、おれは驚き、
「え？
みんな、水野君を知っているの？」
と聞くと、女子達は大きく首を縦に振り、
「当たり前じゃない！
水野君って、めちゃくちゃ頭良くて、お金持ちで、おまけに超イケメンで有名なんだから！」
「でも永青は男子校だし、学校に近づけるチャンスもなかったから、水野君がうちの高校の文化祭に来るなんて思いも寄らなかったもん！」
「おまけに高山ちゃんと水野君が知り合いなんて、世の中どうなってるの！？」
と興奮気味にワイワイ騒いでいる。