第1話:二人の夏休み(その1)
文字数 617文字
「暑い!」
学校は夏休みを迎え、生徒の姿がすっかり消えた校舎だが、おれは部活の指導やら二学期に向けての準備等で、毎日出勤していた。
しかも職員室のクーラーの調子が悪くて、仕方なく扇風機を回しているが、この夏の暑さの中では生ぬるい風が吹くだけだ。
激務と暑さでクタクタだったけど、一番辛いのは西森に会えないことだった・・・。
「西森・・・、今ごろ何してるんだろう・・・。
って勉強してるんだと思うけど・・・。」
夏休み、西森と毎日会えない日々。
一目でも会えると、この疲労感もぶっ飛ぶぐらい幸せになれると思うけれど、でも、ここはガマンだ。
というのも、以前よりはるかにおれと西森の仲はグッと近づいてきているからだ。
西森が教育実習生にヤキモチを焼いた(と思われる)あの日から、少しずつだけど西森からアクションを起こしてくれるようになった。
「その証拠に・・・」
おれはスマホを取り出し、メールを開く。
『先生、暑さに負けていませんか?
体調崩さないように過ごしてくださいね。』
以前の西森だったら考えられないぐらい『優しいメール』を送ってくれるようになったのだ!
「昔だったら、おれがメール送っても完全無視か、
『用も無いのに送ってこないでください』だったのに。
この進歩!すごすぎるだろ!!」
おれは思わずスマホを握りしめて、一人で感動していた。
すると、
「なに?彼女からメールか?」
と、背後から声がしてビックリして振り返ると、山根先生がニヤニヤしながらこっちを見ていた。
学校は夏休みを迎え、生徒の姿がすっかり消えた校舎だが、おれは部活の指導やら二学期に向けての準備等で、毎日出勤していた。
しかも職員室のクーラーの調子が悪くて、仕方なく扇風機を回しているが、この夏の暑さの中では生ぬるい風が吹くだけだ。
激務と暑さでクタクタだったけど、一番辛いのは西森に会えないことだった・・・。
「西森・・・、今ごろ何してるんだろう・・・。
って勉強してるんだと思うけど・・・。」
夏休み、西森と毎日会えない日々。
一目でも会えると、この疲労感もぶっ飛ぶぐらい幸せになれると思うけれど、でも、ここはガマンだ。
というのも、以前よりはるかにおれと西森の仲はグッと近づいてきているからだ。
西森が教育実習生にヤキモチを焼いた(と思われる)あの日から、少しずつだけど西森からアクションを起こしてくれるようになった。
「その証拠に・・・」
おれはスマホを取り出し、メールを開く。
『先生、暑さに負けていませんか?
体調崩さないように過ごしてくださいね。』
以前の西森だったら考えられないぐらい『優しいメール』を送ってくれるようになったのだ!
「昔だったら、おれがメール送っても完全無視か、
『用も無いのに送ってこないでください』だったのに。
この進歩!すごすぎるだろ!!」
おれは思わずスマホを握りしめて、一人で感動していた。
すると、
「なに?彼女からメールか?」
と、背後から声がしてビックリして振り返ると、山根先生がニヤニヤしながらこっちを見ていた。