第10話:クリスマス・デート(その13)

文字数 703文字

「とはいえ、アクセサリーを除いたら、何をプレゼントしたらいいんだろうか・・・」

本屋で図鑑を買って、再び商店街に出てきたおれは頭を抱えた。

学生時代に付き合った彼女たちにも、プレゼントを渡したことがあったが、自分で考えたわけではなく、ほとんど向こう側から、
「指輪が欲しい」
とか、
「ネックレスが欲しい」
とか、リクエストを聞いて買っていたわけなので、特に悩むこともなかった。

でも、今回は西森に『何が欲しい?』と聞いたわけでもないので、悩みまくりなのだ。

仮に、
「クリスマス、何か欲しいものがある?
プレゼントとして買ってあげるよ」
と聞いたとしても、おそらく西森は、
「とんでもない!
プレゼントなんて、いらないです!」
と断りそうな気がして、何も聞けないし・・・。

「何か、良いものないかな・・・。
女子高生が持っていても、不思議じゃないもの・・・」

ブツブツ言いながら商店街を歩いていると、かわいらしい雑貨を売っているお店を見つけた。

ディスプレイには、ピンク色のクリスマスツリーや、クマのぬいぐるみ、クリスマスカラーのタペストリーなどが飾られ、とっても華やかな雰囲気である。

「こんなお店、あったっけ?」

思わず中をのぞいてみると、女の子たちで店内はにぎわっていた。

男性のお客さんは、彼女の付き添いで来ている人ばかりで、一人で来ている男性客はいないと思われる・・・。

さすがに、この中に一人で入っていく勇気は無いのだが、でも、きっとここには女の子が喜びそうなプレゼントがあるに違いない。

「入るの気が引けるけど・・・
でも、西森のためだ!
がんばってプレゼントを探すぞ!」

おれは気合を入れ、女の子たちをかき分けながら、店内に足を踏み入れた。
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登場人物紹介

高山流星

地学担当教師

西森夏菜

学年一の秀才。真面目な優等生。

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