第８話：先生のお誕生日（その３）

突然、クラスメイトから『彼氏がいるでしょ？』と言われ、動揺を隠しきれなかった私。

え？え？
もしかして、先生との関係がバレたの！？

私、誰かにバレるような迂闊な行動をとってたっけ？

いつもだったら、平常心で対応するのに、不意打ちに来るのはヤメテ！

頭の中が混乱して、あたふたしていると、
「永青学園の水野君と付き合ってるんでしょ？
バレバレなんだから、隠さなくてもいいじゃない」
と予想外のことを言われ、
「はああ？」
と、拍子が抜けような声を出してしまった。

そんな私の反応を見たクラスメイト達も、
「え？水野君と付き合ってないの？
文化祭に来てたから、てっきりそうだと思ってたんだけど？」
と、首をかしげながら聞いてきたので、私は冷静な顔で、
「付き合ってない、ない。
水野は本当にただの友達だから」
と事実を答えた。

あまりにもそっけない感じで答えたので、みんなも納得したのか、
「そっか～。
絶対、付き合っていると思ったんだけどなあ～」
と残念そうな声を上げる。

よかった・・・。
先生のことがバレたのかと思って、めちゃくちゃ焦ったよ・・・。

だけど、ホッとしたのも束の間、女子達の会話が（私にとっては）刺激のある内容に急に変わった。

「そういえば、同じクラスの坂本さんって、最近彼氏が出来たじゃん。
付き合ってからまだ日が浅いのに、この前、公園でキスしてたらしいよ」

「ゴフッ！」

ビックリして、思わず食べていたご飯をノドに詰まらせてしまった。

「夏菜、どうしたの？
大丈夫？」

皆に心配されてしまったので、私はケホケホ言いながら、
「う・・うん・・・大丈夫。
ちょっとノドにゴハンを詰まらせただけだから、気にしないで続けて・・・」
と言って、あわててお茶を飲んだ。