第23話:トキメキ文化祭 

文字数 555文字

西森と付き合っているか、という話になった時、水野君は『西森には他に好きな人がいて、おれはフラれたんだ』という返しも出来たかと思う。

しかし、その場合だと『西森に好きな人がいる』という情報がもれて、西森は女子達に『誰が好きなのか?』と問い詰められたかもしれない。

それに、水野君が西森に告白したという事実も大騒ぎになりうるだろう。

でも、そこをあえて選ばず『ライバル同士』で突き通したから、円満解決となったわけだ。

そんな尊敬の念を抱きながら水野君を眺めていると、水野君は西森に近づき、
「西森、今はまだ仕事中?
もしヒマだったら、校内を案内してもらいたいんだけど」
と言った。

その言葉を聞き、おれはハッと我に返る。

お、おいおいおい!?
彼氏の目の前で、堂々とおれの西森をデートに誘うか!?

いや、デートじゃないかもしれないけど、おれからすると完全に『文化祭デート』だ!!

そういえば水野君、合宿の別れ際に『西森のことあきらめませんから』とライバル宣言してきたけど、やっぱり本当にあきらめてなかったのか!

急に心臓がドッドッドッと早く打ち始める。

に、西森は!?
西森は何て返すんだ!?

頼む!
『忙しいから』と言って、断ってくれ!

と願っていたが・・・

「うん、いいよ。
ちょうどヒマになったから、案内するよ」

と、西森はうれしそうにOKした・・・

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登場人物紹介

高山流星

地学担当教師

西森夏菜

学年一の秀才。真面目な優等生。

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