第16話:トキメキ文化祭 

文字数 623文字

文化祭での出し物が決定し、放課後や休憩時間を利用し準備を行った。

西森は塾があるので、あまり手伝いに参加できなかったようだが、予定の無い日は準備に参加していたようだ。

おれも業務がたくさんあって、毎日参加するのは難しかったが、手が空いている時は装飾などの工作作業を手伝い、なんとか『執事カフェ』の準備は整った。

そして迎えた文化祭当日。

教室はカーテンや装飾等で彩られ、すっかり『執事カフェ』に姿を変えている。

他のクラスの教室もカフェやお化け屋敷、展示場などに姿を変え、自然と気持ちもワクワクしてきた。

朝のホームルームのために、担任の吉川先生と教室へ向かう。

「おはよう」
と声をかけ、教室に入ると、
「高山ちゃん、おはよ!
衣装完成したから、着てみて!」
と女子達がワラワラと集まって来た。

おれはあわてて、
「えっ、もう着るのか!?
おれ、クラスの出し物だけじゃなくて、警備とかの仕事もあるんだけど!?」
と拒もうとしたが、女子達は、
「いいじゃん、いいじゃん♪
それ着て警備したら、うちのクラスの『執事カフェ』の宣伝にもなるし」
「とりあえず、サイズが合っているか確認したいから着てみてよ」
とグイグイ押してくる。

すると後ろで見ていた担任の吉川先生が、
「高山、いいじゃないか。
とりあえず着てみろよ。
教頭先生が何か言って来たら、おれからも擁護するし」
と笑いながら言った。

『本当に擁護してくれるんだろうか?』と疑問に思ったが、みんなに押され、試着室で衣装に着替えることになった。
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登場人物紹介

高山流星

地学担当教師

西森夏菜

学年一の秀才。真面目な優等生。

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