第5話:ドキドキ初デート(その5)
文字数 1,275文字
教頭先生から突然言い渡された『ポスター貼り』の仕事だったが、まさか西森と学校で2人きりになれるチャンスを与えてくれるとは・・・。
「先生、こんなところで何やってるんですか?」
西森にそう聞かれ、
「何って、ポスター貼り・・・」
と答えると、
「ポスター貼り?それも一人で?
それって、何か悪いことでもやらかして、罰として作業させられているわけですか?」
と、疑いの目でおれを見てくる。
「いやいや!別に罰じゃないから!」
「否定しても、どう見たって罰を受けているようにしか見えませんよ」
ああっ、もう!
なんでいつもいつも、こんな『かっこ悪い場面』ばっかり西森に見られるんだよ!
これじゃ、ますますおれの株が落ちるだけじゃん!
いろんなことが重なってガックリしていると、ふいに西森が、
「手伝いますよ」
と言って、床に置いていたセロテープを手に取り、スクッと立ち上がった。
「え?」
「塾までまだ時間がありますし、それに・・・」
西森は少しためらってから、
「こんな時じゃないと、先生と話もできないでしょ?」
と、照れた顔でおれを見ながら言った。
急にかわいい表情を見せられたおれは、またもや胸をズッキューンと撃ち抜かれ、その場に倒れそうになった。
なんだよ、西森!
さっきまで、ツンツンしておれのこと突き放していたくせに、今度は急にかわいく近寄って来るなんて、どれだけ小悪魔なんだよ!
「に・・・西森・・・」
幸せすぎて泣きそうになっているおれに西森は、
「ほら!
壁の方向いて、ポスター貼ってください!
他の生徒達が通っても、怪しまれないように、しっかり仕事してください!」
と、キビキビと指示を出す。
「ハイ!」
西森に言われた通り、おれは再びポスターを貼り始める。
おれがポスターを壁に貼ろうとすると、西森が横から画びょうやセロテープを渡してくれるので、一人の時より作業効率が断然良くなった。
たまに横を生徒達が通っていくが、おれと西森のことを怪しむ人は誰もいない。
一部、おれが西森に説教されながらポスターを貼っている、と思った生徒もいたようだが。
そんなこんなでポスターを貼っていき、とうとう最後の場所である西校舎の4階までやって来た。
この階は資料室や会議室で占められているので、人通りも少ない。
西森をプラネタリウムに誘うなら、今この場所しかない、とおれは思った。
「西森・・・、その・・・
この前は勉強中に邪魔なメールしてゴメン・・・」
とりあえず、この前の謝罪から始めようと西森に声をかけた。
すると西森も、
「あれは、私もイライラしていて、
つい先生に怒りをぶつけてしまって、すいませんでした」
と謝ってくる。
久しぶりの2人きりの時間。
お互い、心臓の音がドキンドキンと高鳴っていく。
最後の1枚のポスターを貼る時、おれと西森の手が軽く触れた。
おれは思わず西森の手をつかんで、
「西森、今度の日曜、2人で出かけないか?」
と切り出した。
「え?出かける?」
おれからの突然の提案に西森は、驚いた顔を見せる。
「大学時代の友人に誘われて、プラネタリウムを見に行くことになったんだけど、もし西森の都合がよかったら、一緒に行きたいんだ」
「先生、こんなところで何やってるんですか?」
西森にそう聞かれ、
「何って、ポスター貼り・・・」
と答えると、
「ポスター貼り?それも一人で?
それって、何か悪いことでもやらかして、罰として作業させられているわけですか?」
と、疑いの目でおれを見てくる。
「いやいや!別に罰じゃないから!」
「否定しても、どう見たって罰を受けているようにしか見えませんよ」
ああっ、もう!
なんでいつもいつも、こんな『かっこ悪い場面』ばっかり西森に見られるんだよ!
これじゃ、ますますおれの株が落ちるだけじゃん!
いろんなことが重なってガックリしていると、ふいに西森が、
「手伝いますよ」
と言って、床に置いていたセロテープを手に取り、スクッと立ち上がった。
「え?」
「塾までまだ時間がありますし、それに・・・」
西森は少しためらってから、
「こんな時じゃないと、先生と話もできないでしょ?」
と、照れた顔でおれを見ながら言った。
急にかわいい表情を見せられたおれは、またもや胸をズッキューンと撃ち抜かれ、その場に倒れそうになった。
なんだよ、西森!
さっきまで、ツンツンしておれのこと突き放していたくせに、今度は急にかわいく近寄って来るなんて、どれだけ小悪魔なんだよ!
「に・・・西森・・・」
幸せすぎて泣きそうになっているおれに西森は、
「ほら!
壁の方向いて、ポスター貼ってください!
他の生徒達が通っても、怪しまれないように、しっかり仕事してください!」
と、キビキビと指示を出す。
「ハイ!」
西森に言われた通り、おれは再びポスターを貼り始める。
おれがポスターを壁に貼ろうとすると、西森が横から画びょうやセロテープを渡してくれるので、一人の時より作業効率が断然良くなった。
たまに横を生徒達が通っていくが、おれと西森のことを怪しむ人は誰もいない。
一部、おれが西森に説教されながらポスターを貼っている、と思った生徒もいたようだが。
そんなこんなでポスターを貼っていき、とうとう最後の場所である西校舎の4階までやって来た。
この階は資料室や会議室で占められているので、人通りも少ない。
西森をプラネタリウムに誘うなら、今この場所しかない、とおれは思った。
「西森・・・、その・・・
この前は勉強中に邪魔なメールしてゴメン・・・」
とりあえず、この前の謝罪から始めようと西森に声をかけた。
すると西森も、
「あれは、私もイライラしていて、
つい先生に怒りをぶつけてしまって、すいませんでした」
と謝ってくる。
久しぶりの2人きりの時間。
お互い、心臓の音がドキンドキンと高鳴っていく。
最後の1枚のポスターを貼る時、おれと西森の手が軽く触れた。
おれは思わず西森の手をつかんで、
「西森、今度の日曜、2人で出かけないか?」
と切り出した。
「え?出かける?」
おれからの突然の提案に西森は、驚いた顔を見せる。
「大学時代の友人に誘われて、プラネタリウムを見に行くことになったんだけど、もし西森の都合がよかったら、一緒に行きたいんだ」