第7話:二人の夏休み(その17)
文字数 1,014文字
友人の突然の裏切りに驚きあきれているおれを無視し、涼介は、
「観測会に必要な天体望遠鏡も準備するから、今日の夜、みんなで星を見ようね。
じゃ、勉強会の場所を教えてくれる?」
と、さっさと話を進めている。
「おおい、涼介!一体何考えて・・・」
と小声で叫んでみたが、
「いいから、いいから、おれに任せろって」
と言って、さっさと高校生グループと天体観測会の段取りを決めてしまった。
「じゃあ、また夜にね~」
と笑顔で手を振っている涼介の腕を引っ張り、急いで窓際の席に急いで連れていき、
「なんで勝手に話を進めたんだよ!
せっかく西森と二人きりで星を見る予定だったのに!」
と思いっきり本心をぶちまけた。
すると、涼介はなだめるように、
「まあ、まあ、落ち着けって。
これで公然と、西森ちゃんと会う口実ができたんだから」
と、ニコニコしながら言う。
いや、全く落ち着けない。
「はああ!?
公然って、どういうことだよ!」
「だって、よく考えてみろ。
もし、西森ちゃんが何らかの理由で、夜に上手く抜け出すことができなかったら、おまえは会うことすらできないんだぞ。
でも、天体観測会を開くことによって、誰にも怪しまれず、堂々と西森ちゃんに会えるわけだから、こんなグッドアイデアないだろ!」
涼介は「ドヤ顔」をしながら、そう説明してきた。
確かに・・・
涼介のアイデアはナイスアイデアだと思う。
これで、コソコソ隠れずに、西森に会いに行ける口実ができたわけだ。
とはいっても、やはり納得できない自分がいる。
おれは水の入ったコップを握りしめながら
「でも、二人きりで会いたかったんだよ!
誰にも邪魔されず、夏休みの思い出を作りたかった!」
と、悔しそうに言うと、
「夏の思い出って・・・。
何考えてんだよ、このエロ教師が。
おまえ、もうちょっと自分の立場を考えろよ」
と、涼介にお説教されてしまった。
エロ教師・・・
確かに世間から見るとそうなのかもしれない。
何も言い返せなくなって黙ってうつむいていると、涼介が、
「だから、なんとか天体観測会中に西森ちゃんと二人きりになるチャンスを作ってやるから、がんばれよ」
と言って、おれの肩をポンポンと叩いた。
「え・・・」
顔を上げると、涼介がニコニコ笑いながら、
「西森ちゃんと約束したんだろ?
二人きりで星を見るって。
だったら、これぐらいの逆境跳ね返して、がんばって『夏の思い出』作らないとな」
と言って励ましてくれた。
「涼介・・・」
友人の優しさに、思わずウルッとしてしまった。
「観測会に必要な天体望遠鏡も準備するから、今日の夜、みんなで星を見ようね。
じゃ、勉強会の場所を教えてくれる?」
と、さっさと話を進めている。
「おおい、涼介!一体何考えて・・・」
と小声で叫んでみたが、
「いいから、いいから、おれに任せろって」
と言って、さっさと高校生グループと天体観測会の段取りを決めてしまった。
「じゃあ、また夜にね~」
と笑顔で手を振っている涼介の腕を引っ張り、急いで窓際の席に急いで連れていき、
「なんで勝手に話を進めたんだよ!
せっかく西森と二人きりで星を見る予定だったのに!」
と思いっきり本心をぶちまけた。
すると、涼介はなだめるように、
「まあ、まあ、落ち着けって。
これで公然と、西森ちゃんと会う口実ができたんだから」
と、ニコニコしながら言う。
いや、全く落ち着けない。
「はああ!?
公然って、どういうことだよ!」
「だって、よく考えてみろ。
もし、西森ちゃんが何らかの理由で、夜に上手く抜け出すことができなかったら、おまえは会うことすらできないんだぞ。
でも、天体観測会を開くことによって、誰にも怪しまれず、堂々と西森ちゃんに会えるわけだから、こんなグッドアイデアないだろ!」
涼介は「ドヤ顔」をしながら、そう説明してきた。
確かに・・・
涼介のアイデアはナイスアイデアだと思う。
これで、コソコソ隠れずに、西森に会いに行ける口実ができたわけだ。
とはいっても、やはり納得できない自分がいる。
おれは水の入ったコップを握りしめながら
「でも、二人きりで会いたかったんだよ!
誰にも邪魔されず、夏休みの思い出を作りたかった!」
と、悔しそうに言うと、
「夏の思い出って・・・。
何考えてんだよ、このエロ教師が。
おまえ、もうちょっと自分の立場を考えろよ」
と、涼介にお説教されてしまった。
エロ教師・・・
確かに世間から見るとそうなのかもしれない。
何も言い返せなくなって黙ってうつむいていると、涼介が、
「だから、なんとか天体観測会中に西森ちゃんと二人きりになるチャンスを作ってやるから、がんばれよ」
と言って、おれの肩をポンポンと叩いた。
「え・・・」
顔を上げると、涼介がニコニコ笑いながら、
「西森ちゃんと約束したんだろ?
二人きりで星を見るって。
だったら、これぐらいの逆境跳ね返して、がんばって『夏の思い出』作らないとな」
と言って励ましてくれた。
「涼介・・・」
友人の優しさに、思わずウルッとしてしまった。