第10話:クリスマス・デート(その15)
文字数 940文字
女の子たちは、たぶん西森と同い年ぐらいの女子高生に見えた。
何かを見て「かわいい」と言っている。
同い年ぐらいの女子が「かわいい」と言っているので、西森にとっても「かわいい」モノかと思い、そっと近づき、何を見ているのかコソッとのぞいてみた。
女の子たちはおれの存在には全く気付いていないようで、
「これ、ストーンでデコっていてかわいい♪」
「こっちのイニシャルの入っているデザインのもかわいいよね」
と、コンパクトを見て騒いでいたようだ。
男のおれからすると『コンパクト』というと、化粧品のイメージがあったが、ここに置いているのは鏡だけの商品のようだ。
しかも、色とりどりのコンパクトが置いてあり、見た目も華やかで、女子たちに人気のようである。
なるほど、これはプレゼントにいいかもしれない!
おれの覚えている限り、西森はたぶんコンパクトを持っていなかったと思う。
プレゼントしたら、きっと携帯してくれると思うし、もし親に見つかったとしても不審がられることもないだろう。
女子たちがその場を離れるのを待って、コンパクト売り場に向かった。
棚には、ストーンでデコってキラキラ輝くコンパクトや、かわいいキャラの絵や花柄で彩られているコンパクトなど、いろいろな種類のものが置かれている。
しかし、ここでまた悩む。
「西森は、どんな柄が好きだっけ・・・?」
今まで一緒に過ごしてきた時間を振り返ってみたが、『この色が好き』とか『この柄が好きなんです』とかあまり聞いたことがなかったので、正直、どれを選べばいいのか全く分からない。
分からないので、こうなったら自分が西森に『合う!』と直感で感じるものをプレゼントした方がいいような気がしたので、おれはコンパクトを全部ジーッと見回して、
「これだ!」
と思うものを手に取った。
そして迷うことなく、一気にレジに向かいお会計を済ませる。
店員さんに、
「プレゼントですか?」
とほほ笑みながら聞かれ、ちょっと恥ずかしかったけど、
「ハイ、クリスマスプレゼントです」
と答えると、かわいいクリスマスラッピングをしてもらった。
よし、これでクリスマスの準備が整ったぞ、とウキウキ気分で帰ろうとした時、
『ピピピピ!』
と電話が鳴った。
「誰だろ?」
ポケットから取り出して、スマホを見てみると西森からだった。
何かを見て「かわいい」と言っている。
同い年ぐらいの女子が「かわいい」と言っているので、西森にとっても「かわいい」モノかと思い、そっと近づき、何を見ているのかコソッとのぞいてみた。
女の子たちはおれの存在には全く気付いていないようで、
「これ、ストーンでデコっていてかわいい♪」
「こっちのイニシャルの入っているデザインのもかわいいよね」
と、コンパクトを見て騒いでいたようだ。
男のおれからすると『コンパクト』というと、化粧品のイメージがあったが、ここに置いているのは鏡だけの商品のようだ。
しかも、色とりどりのコンパクトが置いてあり、見た目も華やかで、女子たちに人気のようである。
なるほど、これはプレゼントにいいかもしれない!
おれの覚えている限り、西森はたぶんコンパクトを持っていなかったと思う。
プレゼントしたら、きっと携帯してくれると思うし、もし親に見つかったとしても不審がられることもないだろう。
女子たちがその場を離れるのを待って、コンパクト売り場に向かった。
棚には、ストーンでデコってキラキラ輝くコンパクトや、かわいいキャラの絵や花柄で彩られているコンパクトなど、いろいろな種類のものが置かれている。
しかし、ここでまた悩む。
「西森は、どんな柄が好きだっけ・・・?」
今まで一緒に過ごしてきた時間を振り返ってみたが、『この色が好き』とか『この柄が好きなんです』とかあまり聞いたことがなかったので、正直、どれを選べばいいのか全く分からない。
分からないので、こうなったら自分が西森に『合う!』と直感で感じるものをプレゼントした方がいいような気がしたので、おれはコンパクトを全部ジーッと見回して、
「これだ!」
と思うものを手に取った。
そして迷うことなく、一気にレジに向かいお会計を済ませる。
店員さんに、
「プレゼントですか?」
とほほ笑みながら聞かれ、ちょっと恥ずかしかったけど、
「ハイ、クリスマスプレゼントです」
と答えると、かわいいクリスマスラッピングをしてもらった。
よし、これでクリスマスの準備が整ったぞ、とウキウキ気分で帰ろうとした時、
『ピピピピ!』
と電話が鳴った。
「誰だろ?」
ポケットから取り出して、スマホを見てみると西森からだった。