第8話:先生のお誕生日(その1)
文字数 911文字
「今日の髪型、変じゃないかな・・・」
登校前、洗面所の鏡で前髪を直しながらブツブツつぶやく。
あ、皆様、おはようございます。
今回の第8話は、私、西森夏菜が担当させていただきます。
先生と正式に付き合い始めてから、1か月半ぐらい過ぎたけど、特に『恋人同士』っぽい生活は送ってないです。
文化祭の時は、後夜祭の後に少しだけ二人きりになれたけど、それ以降は、先生も忙しそうだし、私も模試の勉強が大変だったりしたので、学校で顔を合わすぐらいで。
でも、自分の中では少しは変化があったかも、です。
前は『勉強』のことしか考えてなかったけれど、今はこうやって身だしなみにも気をつかうようになったのは、『先生』の存在が大きいと思う。
「うーん・・・
やっぱり、かわいくないな・・・。
他の女の子の方が、もっとかわいいし・・・」
身だしなみに気をつけるようになった、と言っても、やっぱり地味な雰囲気は変わらず、周りのおしゃれな同級生達と比べては落ち込んでしまったり。
だって、きっと先生も『かわいい子』の方が好きだと思うし、このままの私じゃいつか捨てられてしまう気がして心配でしょうがない。
そんな感じで一人落ち込んでいると、キッチンからお母さんが、
「夏菜、そろそろ時間よ。
急がないと電車に乗り遅れるわよ」
と声をかけてきたので、あわててカバンを取りに走った。
*****
キーンコーンカーンコーン
やっと午前中の授業が終わり、お昼休みの時間がやってきた。
食堂にランチを食べに行く人もいれば、教室でお弁当を食べる人もいたりで、教室内からは楽しそうな笑い声があちこちから聞こえる。
私は席を立ち、廊下に出て、周りをキョロキョロしてみた。
「先生、いないなぁ・・・」
今日は朝のホームルームも担任の吉川先生だったから、先生には会えてない。
その後、休み時間も全然姿を見せないので、全く会えていない。
いつもだったら、どこかでチラッと見かけたりするのに・・・。
ちょっと落ち込んでいると、クラスの女の子達が、
「夏菜、お弁当、一緒に食べよう」
と声をかけたので、急いで教室に戻った。
席に着いて、お弁当の準備をしていると、隣に座っていた子が突然、
「最近、夏菜、かわいくなったよね」
と言ってきた。
登校前、洗面所の鏡で前髪を直しながらブツブツつぶやく。
あ、皆様、おはようございます。
今回の第8話は、私、西森夏菜が担当させていただきます。
先生と正式に付き合い始めてから、1か月半ぐらい過ぎたけど、特に『恋人同士』っぽい生活は送ってないです。
文化祭の時は、後夜祭の後に少しだけ二人きりになれたけど、それ以降は、先生も忙しそうだし、私も模試の勉強が大変だったりしたので、学校で顔を合わすぐらいで。
でも、自分の中では少しは変化があったかも、です。
前は『勉強』のことしか考えてなかったけれど、今はこうやって身だしなみにも気をつかうようになったのは、『先生』の存在が大きいと思う。
「うーん・・・
やっぱり、かわいくないな・・・。
他の女の子の方が、もっとかわいいし・・・」
身だしなみに気をつけるようになった、と言っても、やっぱり地味な雰囲気は変わらず、周りのおしゃれな同級生達と比べては落ち込んでしまったり。
だって、きっと先生も『かわいい子』の方が好きだと思うし、このままの私じゃいつか捨てられてしまう気がして心配でしょうがない。
そんな感じで一人落ち込んでいると、キッチンからお母さんが、
「夏菜、そろそろ時間よ。
急がないと電車に乗り遅れるわよ」
と声をかけてきたので、あわててカバンを取りに走った。
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キーンコーンカーンコーン
やっと午前中の授業が終わり、お昼休みの時間がやってきた。
食堂にランチを食べに行く人もいれば、教室でお弁当を食べる人もいたりで、教室内からは楽しそうな笑い声があちこちから聞こえる。
私は席を立ち、廊下に出て、周りをキョロキョロしてみた。
「先生、いないなぁ・・・」
今日は朝のホームルームも担任の吉川先生だったから、先生には会えてない。
その後、休み時間も全然姿を見せないので、全く会えていない。
いつもだったら、どこかでチラッと見かけたりするのに・・・。
ちょっと落ち込んでいると、クラスの女の子達が、
「夏菜、お弁当、一緒に食べよう」
と声をかけたので、急いで教室に戻った。
席に着いて、お弁当の準備をしていると、隣に座っていた子が突然、
「最近、夏菜、かわいくなったよね」
と言ってきた。