第8話:先生のお誕生日(その12)
文字数 916文字
まさか水野から、「キス」の提案をされると思ってもいなかったので、
「な、なに言ってるのよ!?
そんなプレゼント、喜ぶわけないじゃん!?
呆れられるだけだよ!!」
と言ったら、水野は真顔で、
「え?そう?
おれだったら、好きな子からハグされたり、キスされたらうれしいけど」
と、サラッと言う。
いやいや、ちょっと待って!
それ、アドバイスじゃないから!!
ますます、頭の中が混乱してきたじゃない!!
キスって、私から先生にキスするわけ?
ムリムリムリ!!
そんなの絶対できるわけないじゃん!!
そう思っていると、水野はニッコリ笑い、
「別に本気でキスをプレゼントしろって、言ってるわけじゃないよ。
選択肢の1つとして提案しただけだから、気にしないで」
と言う。
「気にしないでって・・・」
大いに気にするわよ!
ますます、誕生日プレゼントに悩んで、勉強が手に着かなくなるじゃない!
というか、私を塾のトップから引きずり下ろすために、そんなこと言ったんじゃ・・・。
うらめしそうに水野の顔をにらんだけど、本人は何も気にしていないようで、
「じゃ、がんばって♪」
と言って、再び参考書を読み始めている。
「うっ・・・」
私も参考書を開いたけど、もうさっぱり。
そんなこんなで、全く授業も身に入らないまま、塾が終わってしまった。
******
「はあああ・・・なんか疲れた・・・」
塾から外に出て携帯を見てみると、先生からメールが届いていた。
『塾が終わったら、連絡下さい』と書いている。
電話するのが、なんか恥ずかしくて、メールで『今終わりました』と送ると、1分もしない間に先生から電話がかかってきた。
あわてて、
「はい!もしもし、西森です・・・」
と電話に出ると、
「西森、連絡ありがとう。
というか、ゴメン、忙しい時に電話しちゃって・・・」
と先生の優しい声が聞こえる。
私は、営業時間が終わった和菓子屋さんの軒下で足を止め、
「その・・・誕生日会のことですか?」
とドキドキしながら聞くと、
「あ・・・うん・・・。
その・・・なんか、夢じゃないのかとまだ疑っていて。
本当に、大丈夫?
勉強のジャマとかじゃない?」
と先生が言うので、私はうなずき、
「大丈夫です。
塾は午前中なので、午後からになるんですけど・・・」
と答えた。
「な、なに言ってるのよ!?
そんなプレゼント、喜ぶわけないじゃん!?
呆れられるだけだよ!!」
と言ったら、水野は真顔で、
「え?そう?
おれだったら、好きな子からハグされたり、キスされたらうれしいけど」
と、サラッと言う。
いやいや、ちょっと待って!
それ、アドバイスじゃないから!!
ますます、頭の中が混乱してきたじゃない!!
キスって、私から先生にキスするわけ?
ムリムリムリ!!
そんなの絶対できるわけないじゃん!!
そう思っていると、水野はニッコリ笑い、
「別に本気でキスをプレゼントしろって、言ってるわけじゃないよ。
選択肢の1つとして提案しただけだから、気にしないで」
と言う。
「気にしないでって・・・」
大いに気にするわよ!
ますます、誕生日プレゼントに悩んで、勉強が手に着かなくなるじゃない!
というか、私を塾のトップから引きずり下ろすために、そんなこと言ったんじゃ・・・。
うらめしそうに水野の顔をにらんだけど、本人は何も気にしていないようで、
「じゃ、がんばって♪」
と言って、再び参考書を読み始めている。
「うっ・・・」
私も参考書を開いたけど、もうさっぱり。
そんなこんなで、全く授業も身に入らないまま、塾が終わってしまった。
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「はあああ・・・なんか疲れた・・・」
塾から外に出て携帯を見てみると、先生からメールが届いていた。
『塾が終わったら、連絡下さい』と書いている。
電話するのが、なんか恥ずかしくて、メールで『今終わりました』と送ると、1分もしない間に先生から電話がかかってきた。
あわてて、
「はい!もしもし、西森です・・・」
と電話に出ると、
「西森、連絡ありがとう。
というか、ゴメン、忙しい時に電話しちゃって・・・」
と先生の優しい声が聞こえる。
私は、営業時間が終わった和菓子屋さんの軒下で足を止め、
「その・・・誕生日会のことですか?」
とドキドキしながら聞くと、
「あ・・・うん・・・。
その・・・なんか、夢じゃないのかとまだ疑っていて。
本当に、大丈夫?
勉強のジャマとかじゃない?」
と先生が言うので、私はうなずき、
「大丈夫です。
塾は午前中なので、午後からになるんですけど・・・」
と答えた。