第8話:先生のお誕生日(その41)

文字数 661文字

どれぐらい時間がたったのだろう?

先生と私は、しばらく寝っ転がったまま抱き合っていた。

窓からは、暖かな日差しが差し込んでいて、とっても心地がいい。
先生の胸の中も、あたたかくて心地がいい。

すっかり油断しきっていた、その時だ。

『グルルルル~』

「!?」

お腹の音が鳴ってしまった!

わ~っ!!!
昼ごはん、まだほとんど食べてない状態だったから、お腹の音が鳴っちゃった
!!

絶対、先生に音が聞こえているはず!

せっかく甘い雰囲気だったのに、ぶち壊しちゃって、穴があったら入りたい気分だよ~!!

と、心の中で叫んでいると、先生が、
「そっか、キスしていたせいで、お昼ご飯食べるの、すっかり忘れていたな」
と言って、起き上がった。

私もあわてて起き上がり、
「ご、ごめんなさい!
お腹の音が鳴っちゃって・・・」
と謝ると、先生は笑いながら、
「なんで謝るの?
おれも腹が減ったから、一緒にご飯食べよ」
と言って、優しく髪をなでてくれた。

先生は、冷めてしまったピザやチキンなどをキッチンに持っていき、再び電子レンジで温め直している。

私もケーキをお皿に移したり、お茶をコップに入れたりして、誕生日パーティーの再セッテイングのお手伝いをした。

「温め直してきたぞ~」

先生がキッチンから戻ってきたところで、誕生日パーティー再開となった。

「かんぱ~い!」

お茶の入ったコップを合わせ、一口飲んだ後、お互いの目が合い、ニコッと微笑みあった。

私は改めて、
「先生、お誕生日おめでとうございます」
と伝えると、先生は、
「ありがと。
きっとおれ、今日のことは一生忘れないと思う」
と言って笑った。

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登場人物紹介

高山流星

地学担当教師

西森夏菜

学年一の秀才。真面目な優等生。

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