第24話:二人きりの夜(その24)

文字数 705文字

夏菜の寝ている部屋のドアを閉めた後、布団を敷き、電気を消して寝ようとした。

が・・・

「寝れるわけないじゃん!」
と叫んだ。

本当に、おれは夏菜と正式な恋人同士になったのか?

明日目が覚めたら、夏菜に『やっぱり無理です』と言われて断られないよな?

『本当の『恋人』になりたい』とは思っていたが、それが叶って現実になってみると、これからのことを真剣に考え始めた。

「先生と生徒という立場上、公然と付き合うことは出来ないし・・・」

デートも出来ないし、アパートに呼ぶこともできないし、学校でイチャイチャできるわけもないし、制約が多すぎる。

きっと恐らく、今までと変わらずこれからも「ガマン」の連続なのだろう。

でも・・・

「やっぱりうれしい・・・」

おれは夏菜と両想いになれた幸せを、再びかみしめた。

この先、きっといろいろ苦労することになると思われるけど、絶対乗り越えてみせる!

夏菜が卒業するまでは、絶対ガマンしてみせる!

と、そんなことを考えていると、隣のベッドルームから、
「んんん・・・」
と、夏菜の寝言(?)のような声が聞こえたので、思わずビクッとしてしまった。

なに!?
今のかわいらしい声!!

今すぐ飛び出して、抱きしめに行きたくなるじゃん!

『一緒に寝よう』って言ってくれたのに、かっこつけてガマンするんじゃなかったかも・・・。

と、夏菜の声1つで、心のブレーキが外れそうになった自分を見て、

「ガマンする、って誓ったくせに、もう抑えられなくなってるじゃん・・・。
ダメだぞ、絶対に手を出しちゃ」
と、反省した。

それからしばらくの間、頭の中で、夏菜とのこれからの楽しい未来をいろいろ想像していたのだが、気づけばいつの間にか眠りについていた・・・。

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登場人物紹介

高山流星

地学担当教師

西森夏菜

学年一の秀才。真面目な優等生。

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