第7話:二人の夏休み(その23)
文字数 1,027文字
「おれ、西森のことが好きなんですけど、やっぱり今夜、ちゃんと告白した方がいいですかね?」
水野君にそう告げられたおれは、どうしたらいいものかと本当に困ってしまった。
これが普通の『恋愛相談』であれば、
「迷うことはない。思いっきり告白して来い!」
と背中を押してやるのだが、水野君の好きな人はおれの好きな人でもある。
だからといって、
「辞めた方がいいよ、西森は別に好きな人がいるみたいだし」
とか言って、水野君の恋のジャマをするのもカッコ悪過ぎる。
同級生だったら、間違いなく『ライバル宣言』をして戦う気満々だったと思うが、今は立場上それはできない・・・。
頭を抱えて悩んでいると、
「先生?
おれ、まずいこと言っちゃいました?」
と不安そうに、おれの顔をのぞきこんできたので、おれはあわてて、
「えっ!?
あ、いや、そのっ!
ベストな回答を考えていたら、つい悩みこんじゃって・・・。
ハハハハ・・・。」
と、ウソをついた。
あーっ!もう!
『ベストな回答』なんて分かんねーよ!!
『西森を水野君に取られたくない!』
本心はそうだ!
だからといって、故意に水野君の告白を邪魔する権利はおれにはない・・・。
悩みに悩んだ結果、出した答えは、
「水野君、おれは告白した方がいいと思う」
だった。
水野君はちょっと驚いたような顔で、
「先生もそう思いますか?」
と聞いてきたので、おれはうなずき、
「ああ。
やっぱり何事も、ぶつかってみないと分からないからな。
黙っていたら、いつまでたっても西森に気持ちは伝わらないし。
それでうまく行ったら最高だし、たとえ失敗したとしても、悔いは無いと思う。
ほら、よく言うじゃん。
やらずに後悔するより、やって後悔した方がいいって」
とアドバイスした。
表面的には、めっちゃかっこいいこと言っていたが、心の中では『水野君、告白なんて止めて!』と叫んでいた。
だって告白することで、西森の気持ちが水野君に傾く可能性だってある。
西森も水野君と付き合えば、何の障害もない『普通の高校生同士』のお付き合いができるわけだし、おれと付き合うよりもずっと幸せだと思う。
おれと付き合えば、一緒にどこかにデートに行くのも難しいし、今日だって、2人きりになれるチャンスも逃したし・・・。
でも、そうなったらそれはそれで仕方ないと思う。
おれに西森を引き付けておく力が無かっただけのことだから・・・。
すると、水野君がスクッと立ち上がり、
「分かりました!
おれ、がんばって来ます!」
と言って、西森の方に向かって走って行った。
水野君にそう告げられたおれは、どうしたらいいものかと本当に困ってしまった。
これが普通の『恋愛相談』であれば、
「迷うことはない。思いっきり告白して来い!」
と背中を押してやるのだが、水野君の好きな人はおれの好きな人でもある。
だからといって、
「辞めた方がいいよ、西森は別に好きな人がいるみたいだし」
とか言って、水野君の恋のジャマをするのもカッコ悪過ぎる。
同級生だったら、間違いなく『ライバル宣言』をして戦う気満々だったと思うが、今は立場上それはできない・・・。
頭を抱えて悩んでいると、
「先生?
おれ、まずいこと言っちゃいました?」
と不安そうに、おれの顔をのぞきこんできたので、おれはあわてて、
「えっ!?
あ、いや、そのっ!
ベストな回答を考えていたら、つい悩みこんじゃって・・・。
ハハハハ・・・。」
と、ウソをついた。
あーっ!もう!
『ベストな回答』なんて分かんねーよ!!
『西森を水野君に取られたくない!』
本心はそうだ!
だからといって、故意に水野君の告白を邪魔する権利はおれにはない・・・。
悩みに悩んだ結果、出した答えは、
「水野君、おれは告白した方がいいと思う」
だった。
水野君はちょっと驚いたような顔で、
「先生もそう思いますか?」
と聞いてきたので、おれはうなずき、
「ああ。
やっぱり何事も、ぶつかってみないと分からないからな。
黙っていたら、いつまでたっても西森に気持ちは伝わらないし。
それでうまく行ったら最高だし、たとえ失敗したとしても、悔いは無いと思う。
ほら、よく言うじゃん。
やらずに後悔するより、やって後悔した方がいいって」
とアドバイスした。
表面的には、めっちゃかっこいいこと言っていたが、心の中では『水野君、告白なんて止めて!』と叫んでいた。
だって告白することで、西森の気持ちが水野君に傾く可能性だってある。
西森も水野君と付き合えば、何の障害もない『普通の高校生同士』のお付き合いができるわけだし、おれと付き合うよりもずっと幸せだと思う。
おれと付き合えば、一緒にどこかにデートに行くのも難しいし、今日だって、2人きりになれるチャンスも逃したし・・・。
でも、そうなったらそれはそれで仕方ないと思う。
おれに西森を引き付けておく力が無かっただけのことだから・・・。
すると、水野君がスクッと立ち上がり、
「分かりました!
おれ、がんばって来ます!」
と言って、西森の方に向かって走って行った。