第22話:二人きりの夜(その22)

文字数 564文字

「その・・・こんな時、
恋人同士は・・・一緒に寝るんですか・・・?」

夏菜にそう聞かれ、おれは、
「えっ!?」
と驚いてしまった。

落ち着け、落ち着け、これはどう意味なのかよく考えろ。

「一緒に寝たい」ということなのか、それとも単なる質問なのか。

冷静になって考えようとすればするほど、全く冷静になれなくて、ますます頭の中がこんがらがってきた。

返答に困って黙っていると、夏菜はパッと手を離し、
「あ、ごめんなさい!
その・・・私・・・、今まで誰とも付き合ったことがないので、こういう時『彼女』だったら、どう行動すればいいのか全く分からなくて・・・」
と言って真っ赤になっている。

なるほど、そうだったのか・・・。

急におれの『本当の彼女』になったから、『彼女』らしく振る舞おうとして急にそんなことを言い出したんだな・・・。

そう思うと、ますますかわいくて愛おしくなってくる。

「夏菜」

「は、はい!?」

おれは夏菜の体をヒョイと持ち上げて、お姫様抱っこをした。

「ひゃっ!?」

おれはそのまま夏菜を抱えたまま、ベッドへ向かった。

「せ、先生!?
きゅ、急に何ですか!?」

突然の出来事に夏菜は驚いた顔をしていたが、おれは止まることなくベッドまでたどり着くと、そっと夏菜の体をベッドに下ろした。

そして軽くおでこにキスをすると、
「そんなに急に無理しなくていいから」
と言った。
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登場人物紹介

高山流星

地学担当教師

西森夏菜

学年一の秀才。真面目な優等生。

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