第10話:クリスマス・デート(その7)

文字数 709文字

「涼介がこっちに来てるの?
珍しいな」

明日は土曜日。
飲みに行けないこともない。

でも仕事が溜まっているので、少し残業をすることにはなるのだが。

なので『待っててくれるならOK』と返事を返すと、涼介から
「街で飲んでるから、仕事終わったら連絡くれ」
と返ってきた。

あいつも仕事が明日は休みなので、今日は遅くまでOKなんだろうな。

『了解』
と返事を送ったところで、
「キーンコーンカーンコーン」
と授業開始の音がなったので、授業に向かった。


***********

仕事を終え、涼介が指定した居酒屋へ電車で向かう。

ここんとこずっと忙しかったので、飲みに行くのは久しぶりだ。

明日は休みだし、今日は遅くまで飲むのも有りかも、と思いながら店に着くと、
「流星、久しぶり!」
と、少しほろ酔い気分の涼介がうれしそうに手を振って迎えてくれた。

「涼介、久しぶり。
こっちに出てくるの、珍しいな」

そう言いながら席に着くと、涼介はうなずきながら、
「うん、ちょっと会議があって、久しぶりに山から出てきた」
と言って笑う。

大学時代は、ほぼ毎日顔を突き合わせていたけど、卒業してからほとんど会うこともなく、お互い何をやっているのか分からない状態だが、こうやって再び顔を合わすと『昔の関係』に戻れるから不思議なものだな。

仕事の話や、お互い大好きな『天文』の話になると、つい夢中になって時間を忘れてて飲んでいた。

そんな時、ふと携帯が『ブブブブ』と振動したので、
「誰だろう・・・?」
と取り出して、チラッと送信元を見てみると西森からだ!

「え!?
何の連絡!?」

まさかの西森のメールに動揺を隠しきれず、オロオロしている様子を見た涼介は、
「何?彼女から?」
と、ニヤニヤ笑いながら言った。
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登場人物紹介

高山流星

地学担当教師

西森夏菜

学年一の秀才。真面目な優等生。

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