第17話:トキメキ文化祭
文字数 1,013文字
「なんだ・・・
この長いコートみたいな服は・・・」
丈が長い黒のスーツのような燕尾服に、グレーのベスト、黒のネクタイに白いシャツが1セットで用意されていた。
スーツにはラメ(?)のようなものも付いていて、動くとキラキラ輝く仕様だ。
なんだろ・・・
どこかでこれと似たようなモノを見たことがあるんだけど・・・
『うーん』と考えてみると、思い出した!
前に友達の結婚式に行った時、新郎がこんな長いタキシードみたいなものを着ていたっけ。
あの衣装にラメは付いていなかったけど。
おれは衣装を手に取り、
「こんなの着たことないけど、似合うのかな・・・」
とつぶいやいた。
文化祭には保護者も来るので、こんな格好していたら『あの教師、何を考えているの?』とかクレームが寄せられそうで不安になる。
でも、試着室の外から、
「高山ちゃん、着替え出来た?
サイズ合ってなかったら、直さないといけないから早く~!!」
と女子達からの圧がかかってくるので、もう『どうにでもなれ!』とあきらめの心境に達し、おれは急いで執事服を身にまとった。
慣れないネクタイに苦戦しながらも、なんとか着替えが完了し、
「ハイ、着替えたよ」
と試着室から出るや否や、
「かっこいい!
高山ちゃん、めっちゃ似合ってるじゃん!!」
「いつもTシャツ姿しか見たことなかったから、スーツ姿新鮮!!
超いいじゃん!」
と女子達に囲まれる。
嫌味を言われるかと思った男子達からも、
「さすが!
おれ達には無い『大人の色気』があって、いいじゃん!」
と褒めてくれるので、なんかうれしくなって、
「そ、そう?」
と照れ笑いしていると、西森とバチッと目が合った。
西森はいつものように、すぐパッと目をそらし、クルッと背を向ける。
うっ・・・
あの行動はどういう意味なんだ・・・。
『女の子達にチヤホヤされて、なにデレデレしているんですか?』
という意味なのか、それとも、
『先生、似合っていますね』
という照れ隠しの意味なのか・・・。
西森の行動の意味が読み取れず、オロオロしていたのだが、そんなことを知らない生徒達は、
「さ、実践実践。
もうカフェのオープンまで時間が無いから、急いで仕事を覚えてね」
と言って、腕を引っ張りカフェの方に連れて行く。
西森は相変わらず、プイと横を向いているし・・・。
西森と付き合い始めて初の文化祭。
今のところ二人きりになれる雰囲気もなければ、執事カフェのおかげでトラブルも発生しそうな気がして、初っ端から不安でいっぱいの開始となった。
この長いコートみたいな服は・・・」
丈が長い黒のスーツのような燕尾服に、グレーのベスト、黒のネクタイに白いシャツが1セットで用意されていた。
スーツにはラメ(?)のようなものも付いていて、動くとキラキラ輝く仕様だ。
なんだろ・・・
どこかでこれと似たようなモノを見たことがあるんだけど・・・
『うーん』と考えてみると、思い出した!
前に友達の結婚式に行った時、新郎がこんな長いタキシードみたいなものを着ていたっけ。
あの衣装にラメは付いていなかったけど。
おれは衣装を手に取り、
「こんなの着たことないけど、似合うのかな・・・」
とつぶいやいた。
文化祭には保護者も来るので、こんな格好していたら『あの教師、何を考えているの?』とかクレームが寄せられそうで不安になる。
でも、試着室の外から、
「高山ちゃん、着替え出来た?
サイズ合ってなかったら、直さないといけないから早く~!!」
と女子達からの圧がかかってくるので、もう『どうにでもなれ!』とあきらめの心境に達し、おれは急いで執事服を身にまとった。
慣れないネクタイに苦戦しながらも、なんとか着替えが完了し、
「ハイ、着替えたよ」
と試着室から出るや否や、
「かっこいい!
高山ちゃん、めっちゃ似合ってるじゃん!!」
「いつもTシャツ姿しか見たことなかったから、スーツ姿新鮮!!
超いいじゃん!」
と女子達に囲まれる。
嫌味を言われるかと思った男子達からも、
「さすが!
おれ達には無い『大人の色気』があって、いいじゃん!」
と褒めてくれるので、なんかうれしくなって、
「そ、そう?」
と照れ笑いしていると、西森とバチッと目が合った。
西森はいつものように、すぐパッと目をそらし、クルッと背を向ける。
うっ・・・
あの行動はどういう意味なんだ・・・。
『女の子達にチヤホヤされて、なにデレデレしているんですか?』
という意味なのか、それとも、
『先生、似合っていますね』
という照れ隠しの意味なのか・・・。
西森の行動の意味が読み取れず、オロオロしていたのだが、そんなことを知らない生徒達は、
「さ、実践実践。
もうカフェのオープンまで時間が無いから、急いで仕事を覚えてね」
と言って、腕を引っ張りカフェの方に連れて行く。
西森は相変わらず、プイと横を向いているし・・・。
西森と付き合い始めて初の文化祭。
今のところ二人きりになれる雰囲気もなければ、執事カフェのおかげでトラブルも発生しそうな気がして、初っ端から不安でいっぱいの開始となった。