第2話:二人の夏休み(その2)

文字数 721文字

おれは、あわててスマホを後ろに隠し、
「え!?あ!?
いや、別にそんなんじゃー・・・」
と、声を上ずらせながら答えると山根先生は『クスッ』と笑って、
「ほんと、高山はウソが下手だよな。
そんなんじゃ、いつかヒミツがバレてしまうぞ。
ちゃんと上手くやらなきゃ」
と言いながら、職員室を出て行った。

「え・・・」

って・・・

えーっ!?
なに、あの人!?

おれが生徒と付き合っていること知ってるの!?

なに?
そんなにおれ、バレバレの行動とってた!?

急に心臓が悪い意味でドキドキしてきたが、山根先生が再び職員室のドアから顔を出して、
「高山」
と、声をかけてきたので、ビックリして『ヒヤッ!?』と飛び上がってしまった。

山根先生はニコッと笑って、
「大丈夫、おれはおまえの味方だよ」
と言って去って行った。

おれはしばらく呆然と立っていたが、
「ふう・・・」と暑さと緊張で額ににじみ出てきた汗をぬぐった。

「さすが、生徒と結婚しただけあって、なんか・・・いろいろとすごいな、あの人・・・」

山根先生がどこまで知っているのか分からないけれど、「味方」だと言ってくれるから、信じよう。

「というか、天文部の活動が始まるじゃん!
急いで行かないと!」

顧問を務める天文部の活動が10時から始まる。

時計を見ると、10時5分前。

おれはあわてて、資料を抱えて職員室を出ようとした時、『ピピピ!』とスマホの音が鳴った。

「なんだ、なんだ?こんな時に・・・」

と画面を見ると・・・
それは西森からのメールだった。

おれはあわててメールを開く。

『先生、今日の夜、一緒にご飯を食べませんか?』

え?
ええっ!?

まさかの西森からの「ご飯のお誘い」が着た!?

おれは信じられない出来事に、ビックリして、スマホを危うく落としそうになった。
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登場人物紹介

高山流星

地学担当教師

西森夏菜

学年一の秀才。真面目な優等生。

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