第25話:トキメキ文化祭

文字数 579文字

「ええっ!?
ちょっ、どういうことだ?
カフェの方はどうするんだ?」

驚いて聞き返すと、女子達は水野君には聞こえないような小声で、
「いい?高山ちゃん。
ここで私達が水野君に恩を売っておけば、後で連絡先とか教えてくれるチャンスがあるかもしれないわけ。
高山ちゃんも協力してよね」
と無茶苦茶なことを言ってきた。

恩を売る・・・。

『そんなに上手くいくかな?』と内心思ってしまったが、西森と水野君と一緒に行動できるわけだから、おれにとってもこの上なくありがたい提案だ。

おれは渋々引き受けるような感じで、
「もー、仕方ないな。
あまり気乗りはしないけど、協力してやるよ」
と言うと、女子達も喜んで、
「高山ちゃん、ありがと!
じゃ、宣伝も兼ねて校舎を回って来てね!」
と言って、『執事カフェ』の案内看板をおれに渡した。

おれは水野君の方に振り返り、
「警備の交代時間までになるけど、案内させてもらうよ」
と言うと、水野君も喜んで、
「よかった♪
無理言って、すみません」
と答えてくれた。

チラッと西森の方を見ると、西森は困惑したような顔でこっちを見ている。

えっ、なにその顔!?
めっちゃ、迷惑そうな顔じゃん!?

水野君と二人きりで回りたかったの!?

おれ、何か余計なことやっちゃった!?

急に不安が押し寄せてきたが、西森は『ハァ』と大きなため息をつくと、
「じゃあ、行きましょうか」
と言って、スタスタと歩き始めた。
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登場人物紹介

高山流星

地学担当教師

西森夏菜

学年一の秀才。真面目な優等生。

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