第54話2
文字数 666文字
でしたら優先的に操心館に回していただけないでしょうかという提案なのです。
在庫として抱え込むより確実に売れる方がよいのではないかと思うのですが
要するに国の庇護下で機巧姫を卸す御用商人にならないかというお誘いなのだ。
もともと藤川様や井田様は太い客であっただろうけど、これからは国として取引をしようというのだから損はない話だと思う。
不動から相談を受けた時、機巧姫の入手ルートの確保は速やかに行う必要があると判断した。
いつまた敵の機巧武者が攻めてくるかわからない状況で、一手の遅れが致命的なことになりかねない。
今すぐ不動たちが機巧操士になれないとしても機巧姫を確保しておくことには、先々を考えれば十分に意味がある。
だからその日のうちに広幡様に相談をして藤川様から好きにしていいという言質を取ってもらったのだ。