第46話3
文字数 597文字
納得がいったのか白糸様はうんうんと頷いた。
それから不動の前に立って声をかける。
白糸様が差し出した右手を前に、不動はどうしたものかと悩んでいるようだった。
目の前にある右手を見て、白糸様の顔を見て、また右手を見て、己の右手を見る。
それでも次の行動に移れずに今度は僕を見る。だからゆっくりと頷いてやった。
両手で白糸様の右手を握ると頭を下げた。
白糸様の口元が緩む。
本来、王たる者は戦いの場に身を置かなければならない。そうでなければ従ってくれる家臣はいなくなってしまう。
だが機巧武者になれない王など戦場には不要だ。足手まといだからな