第25話1 ここが私たちの使う教室だよ
文字数 998文字
いったん部屋に戻って葵たちと合流してから最初に案内をしてもらった板敷きの部屋には誰もいなかった。
寺子屋風に畳敷きで個々人に文机があって、正座しながら先生の教えを受けるようなイメージがあったけど違っている。
個人部屋以外はどこも板敷きで土足のまま上がれるようになっていた。
教室は二十畳ぐらいだろうか。
コの字型に横長の机とそれぞれに椅子が配置されている。机がない場所に師範が立つのだろう。
候補生の数が少ないからこんなものか。
さっと椅子に座ったのは翠寿だ。
澪の隣に座ってご機嫌だった。尻尾も力強く左右に揺れている。
ここから見て左側の机にウメゾノ様。一つ席を空けてカメイ様とニシナカ様がいて、右側の机はミョウケン様、ワカマツ様、トミナガ様、スゴウ様が座ってるかな
つまりはこんな感じか。
教壇
梅園 明見
若松
亀井 富永
西中 菅生
澪 大平 六地蔵
彼らが澪の同級生――この操心館の一期生だ。
お城で食事をしたときに、この世界にも上座と下座、左上位っていう文化があるんじゃないかと思ってたんだよね。
身分制度が厳しい世界ならこういうのがあっても不思議じゃないし。