第55話1 澪は紅寿を探してきて
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二人と別れて真っ直ぐに道場へ向かう。
不動ならいつものように鍛錬をしているだろうと予想した通りだった。
二つ返事だった。
ノータイムでついてきてくれて助かる。
広幡館長の部屋に勢ぞろいしていた。
僕、澪、葵、広幡館長、茅葺さん、不動、紅寿と七人も入るとこの部屋も狭く感じる。
年齢からくるものか広幡さんは落ち着いている。
扉近くの壁にもたれている茅葺さんも同様だ。むしろ僕が何を言い出すのか楽しみにしている風にも見えた。
この中で一番状況を理解していないであろう不動は緊張しているのか目に落ち着きがない。事前に説明している時間がなかったんだ、ごめん。
それにも関わらず僕についてきてくれるなんて、本当に不動はいい奴だと思う。あと、戦力として本気で頼りにしているから。
戦力という意味では機巧操士の梅園さんもいる。
だけど残念ながら彼は僕によい感情を持っていないようだし、何より今は交代で国境に出てしまっているからあてにできない。
というわけで、この操心館の責任者である広幡さんと僕が出会って少なくとも友好的な関係を築けたと思っている人たちにこれまでの事情を報告して、相談することにした。いわゆる報連相というやつだ。