第52話4
文字数 674文字
返事をするや否や、ひょいと自分の身長より高い塀を乗り越える。すごい跳躍力だ。
そして音もなく中庭へ降り立ち屋内へと侵入する。
これぞ忍びと言える活躍ぶりだ。
おまけに忠義も厚いとくれば使い勝手は抜群だ。
翠寿みたいな子を預けてくれている澪にも改めて感謝しなければ。
待つことしばし。
塀の向こうから影が飛び出し目の前に着地する。
すわ、曲者かと思って腰が引けていたら翠寿だった。
なるほど。それならわかりやすい。
現代日本でだってお札が貼ってあれば、そこに何かあるなと思うわけだし。
宿曜は澪や翠寿と同じ八岐の一種族だったな。
どうやらこの世界において魔法使い的な能力を持っていると思えばよさそうだ。