第58話4
文字数 546文字
岩戸は振り回していた槍を勢いよく地面に叩きつける。
連続して地面を削る音がする。
地面が抉られ、大量の土砂が舞い上がる。
地を蹴った音を残し葵が離れていく。
間近にある何かの気配。
気が付いた時には目の前にいた。
衝撃で吹き飛ぶ。さっきよりも転がる距離が長い。
体を丸めて衝撃を逃がす。まだ転がる。上下がわからない。
気が付いたら空を見上げていた。
痛い。
体が半分なくなってしまったみたいだ。
お腹が熱い。
全身から汗が噴き出す。
痛い、痛い痛い痛い痛い!
痛みを発する場所に手を当てるとぬるりとした感触があった。
熱いお湯がかけられているみたいだ。