第37話4
文字数 902文字
でもさぁ、あんなことされたらさぁ、女の子としてぇ、ちょっとドキっとしたっていうか、本気にしちゃいたいなーって思ったりして。うふふー、いいけどねぇ。うん、夢ぐらい見たっていいよねぇ……
何が言いたいのかさっぱりわからない。
どうせ酔っ払いの言うことだ。本人だって何を言っているかわかっていないのだろう。
酔っぱらってグデグデしている澪の相手をしているのはそれなりに楽しいけど、あまり長居をして店の迷惑になってもいけない。
駄目だ、この酔っ払い。
立たせたら生まれたての小鹿かってぐらいグラグラしているし。
軽々と澪を抱き上げる。ちっとも重いと思わなかった。我ながらこんなに腕力があったのかと驚くほどだ。
不動との力比べでも思ったけど、今の僕はかなりの身体能力を持っている。
周囲の視線はあえて無視する。顔が赤いのは酔っているせいだ。