第49話2
文字数 631文字
そんなキラキラした瞳で見ないでください。汚い計算ありきの案ですから。
白糸様は店主を説得して約束を取り付けることに成功した。
今回はお店にある既存品から選んで組み上げるのではなく新たに型から起こす発注だ。
当然、時間もお金もかかる。量産するためのベースを新規に作ることになるのだから仕方がない。完成には二カ月ほどかかるそうだ。
お店に並んでいるあとは化粧を施すだけの人形とは違い、一から作るとなると素材となる神木の選定やら勾玉の選別やらで最低でもそのぐらいは必要になる。
そう考えると二カ月で完成というのは圧倒的に早い。
それからもう一つ、宇頭さんには個人的に提案をさせてもらった。
新々式の人形の商品展開について思うところがあったのだ。こちらが動くのはもう少し先になるだろう。
こう見えて白糸様は大人物なのかもしれない。
たった一日で不動のような味方も得ているし。