第37話2
文字数 719文字
……いきなりお城に呼び出されてさぁ、知らない人ばっかりのところで生活しろって言われてね。
でもヘキジュがいてくれたらなんとかなるかなぁって思ってたけど、今思えばあれって人質だったんだよねぇ
頭をふらふらさせながら独り言をつぶやいている。
口の中で消えてしまうはずの言葉が僕の耳にも届いてしまった。
八岐が暮らせる場所を知行として与えるなんて言われてもさ……私みたいな小娘にできることなんてなにもないのにねぇ。
なんで私だったのかなぁ。もっと優秀な人はいっぱいいたはずなのに……鬼も人狼も土蜘蛛も……みんなみんな私にばっかり責任を押し付けて。本当にひどい話だよねぇ
やっと落ち着いてきたかなぁって思ってたらあんなことがあって……仕方ないと思うよ。
みんな我慢してた。我慢してがまんして……できなくなっちゃった。
あのときは本当にもうダメなんだなって思った。でもギリギリのところでなんとかなって……もしもあそこで死んじゃってたら楽だったのかなぁ
ちょっとよくないお酒の入り方をしている気がする。
ペースを落とさせた方がよさそうだ。
そしたら今度は機巧操士の候補として操心館に行けって言われてね。
よくわからないうちに戦にまで駆り出されちゃって。〈手当〉だって万能じゃないのに。
あー、でもソウゲン様を助けられてよかったなぁ。誰かの役に立てたんだし。
そしたら今度は三桜村が襲われてるって連絡があって、慌てて駆けつけたらキヨマサ君が村を救ってくれたっていうじゃない。
すごいなぁって思ったよ。私より年下なのに勝てないなぁって思っちゃった。
でも私だってやらないといけないことがたくさん……だから……だから……
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