第47話1 ここ、ここです!
文字数 666文字
翠寿が指差す先が目的のお店だった。なかなか立派な佇まいをしている。
店の前には美しい外見をした人形が立っており、道行く人たちに時折頭を下げていた。
ある意味においては白髭のチキン屋やピエロのバーガーショップより先を行っていると言っても過言ではない。対抗できているとしたら白い犬の携帯ショップぐらいなものだろう。
確かに美人だった。
肌の色は白く、瓜実顔で目鼻立ちがしっかりしている。
小柄な不動が並ぶと人形が年上に見えてしまう。
そういえば僕よりも葵のが身長が高いんだよな。
今の僕の体は若返っているから仕方がないんだけど。
確かに圧巻だった。店内には様々な人形が飾られている。
壁は二段になっており上下に人形がずらりと並び、さらに天井から吊るされているものもある。これだけの数はホラー感すらあった。
そう宣言して僕の袖をそっと掴む。
心なしか指先が震えているので、安心させるためにぽんぽんと頭巾を被った頭を撫でてあげた。