第9話3
文字数 374文字
「へー」とか「ほー」とか言いながら、澪が僕の周囲をクルクル回る。
覗き込むようにすると白い首筋があらわになった。どことなく甘い香りがする。
ん? 澪って耳の先が尖ってるんだな。
もしかしたらエルフの血を受け継いでいるみたいな設定があるんだろうか。
そもそもゲームは和風がベースだったからエルフはいなかった。
でもこの世界がゲーム設定そのままじゃないのならそういうこともあり得る。
僕が知らない技能も存在してるわけだし。折を見て聞いてみよう。
そういえば最初からやけに親しげな口調で話しかけてくるなあと思っていたけど、澪には僕が年下に見えているんだろうな。
放っておけない弟みたいに思われているんだろうか。それはそれでなんか調子狂うなあ。