第46話2
文字数 835文字
自分の物言いが不敬にあたるのは承知の上だ。
でも白糸様は今の僕を救国の英雄だと思ってくれている。ならば、それを利用しない手はない。
二人とも困惑の表情をしているが根本の部分は異なっている。
白糸様は何故そんなことを言われなければならないのだというもので、不動はいらぬ波風を立てないで欲しいであろう。
戦えという命令には従ってくれると思う。鬼は戦うことが好きな一族のようだし。
要は嫌々戦うのと喜んで戦うこと。
どちらがよりよい結果を得られるだろうかという話だ。
常日頃からコミュニケーションを取っておくことは大切だ。
ディレクターたる者、現場で手を動かしてくれる人たちと仲良くしておいて損はない。いざというときには泣き落としをしてでも力を貸してもらうことになるのだから。
普段接点がない人からお願いされる場合と、雑談とはいえ話をする人。
どちらの願い事を聞いてくれるだろうか、という話だ。