第23話1 うぅ~ん……なんだかとても息苦しい
文字数 782文字
うぅ~ん……なんだかとても息苦しい。
おまけに寝返りをしようとするけど体が動かない。
これが噂に聞く金縛りか?
おそるおそる目を開けてみる。
お決まりのセリフをつぶいてみた。
ぼんやりとしていた意識がゆっくりと覚醒していく。
手を伸ばして柔らかな髪を梳いてみる。
艶々でサラサラだった。
僕の手の動きが気持ちいいのか、ピクピクと耳が動いている。
ゆっくりと頭が持ち上がった。
とろんとした目をしている。
まだ半分以上は寝ているみたいだ。
布団の上で翠寿が微睡んでいるのを見ている僕。幸せだ。
ああ、犬を飼っていたらこんな感じだったのかなあ。
毎朝起しに来てくれる犬を飼いたいだけの人生だった……。
すっと襖が開くと葵が部屋に入ってくる。
肌着一枚なのでドキリとしてしまう。
それもそうだな。
かわいそうだが起きてもらうとしよう。