第16話1 脱衣所へ行くと着替えが用意されていた
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脱衣所へ行くと着替えが用意されていた。
手に取ってみると広幡館長が着ていた制服に似ている。制服なんて高校以来だ。
ボタンでとめるかわりに要所を紐で縛って着るタイプなので着替えに戸惑うこともない。上着の丈はかなり短かった。
裾は絞れるように紐が通されているので、思っていたよりも動きやすい格好だ。
なお、脱衣所で翠寿が自分の身体を拭く代わりに全身をプルプルさせて水気を切ってくれたおかげで大変な目にあったのだが、慌てて僕の身体を拭いてくれたので不問に付すという一幕があったことを付け加えておこう。
ホカホカの僕と翠寿、それから葵の三人が廊下で待っていると制服に着替えた澪がやってきた。
女子の制服は上着の肩に切れ込みがあり、身頃と袖は千鳥がかりに紐で繋がっている。隙間から素肌が見えているから、下には薄手でノースリーブの腹掛けを着ているのだろう。袖は細いのでたすき掛けなどしなくても腕の取り回しに苦労はしなさそうだ。
股下のある袴の丈は短いので股立ちがなければ普通のミニスカートにも見える。そこに太ももまである足袋を履いているので見事な絶対領域を形成していた。
どういう技術でニーハイソックスを実現しているのかとても気になる。職人の技とでも言うつもりなのか。
いや、なんでそんな地獄の底から聞こえてくるような低音ボイスで迫ってくるのですか?
僕は翠寿が一緒にお風呂に入りたいっていうから、その希望をかなえてあげただけだというのに!