第54話1 新式は灰桜の君でございます
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これからは機巧姫の数が必要になる。
もちろん、機巧姫を保有しているだけでは意味はない。共感できる機巧操士と対になっていなければ戦力にならないからだ。
でも機巧姫を確保することには意味がある。
具体的には他国への流出させないことで戦力増強を防ぐことができる。言い方は悪いかもしれないけど飼い殺しというやつだ。
そうしたマイナスをなくすだけではない。
茅葺さんの計画が上手くいけば操心館に所属している候補生が機巧操士として戦えるようになる。そのためにも機巧姫の確保は絶対に必要だった。
そもそも機巧姫の需要は限られている。
機巧操士でなければ機巧姫を活躍させることができない上に高価な品だ。しかも最近はより安価な人形雛の方が人気もある。
必然として機巧姫は市場に数が出回らない。
戦がなければこうして裏で細々と流通するのがせいぜいだ。