第51話3

エピソード文字数 649文字

キヨマサさまはいますかー?
お疲れ様。入っておいで
はーい
 用意してあった一角に翠寿が片膝を立てて座る。
服が濡れてるけど雨降ってる?
ちょーどふりはじめたところです!
そっか。

疲れたでしょ。食べたいものがあれば遠慮なく頼んでいいからね

そっか。疲れたでしょ。食べたいものがあれば遠慮なく頼んでいいからね
 翠寿はキラキラと目を輝かせている。

 可愛いい。頭をなでなでしてあげたくなる。

じゃあ、ふきがたべたいです!
蕗か。いいね。

じゃあ、それも頼もう

ところでスイジュはどこに行ってたの? 

ひどいことされてない?

 酷いことってなんだよ、酷いことって。

 理不尽な指示なんて出した覚えはないぞ。

キヨマサさまにいわれたとおりに男の人のあとをつけてきました!
 それだけでは理解できなかった澪が僕を見る。
白糸様と人形を見に行ったんだけど、そのお店にたまたま中伊さんが来てね。

ちょっと様子がおかしかったから翠寿に後をつけてもらったんだ

ナカイさんって勾玉に使う石を扱ってるあの? 

キミノさんのお父さんのこと?

 澪の確認に頷く。
中伊さんはあの後どうしてたのかな
機巧姫をかいました。

ふたつもです!

すげえな。

金ってのはあるところにはあるもんなんだな

 バリバリと魚の骨を噛み砕きながら不動が感心している。

 自分たちも機巧姫を買いに行ったことを忘れているんじゃなかろうか。


 実際のところ、お店で機巧姫が購入できるのならば購入してしまうのもありだとは思う。

 とにかくまだ連れ合いがいない候補生たちに機巧姫と出会う機会を作らないといけないからな。

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登場人物紹介

不吹清正(ふぶき・きよまさ)

本作の主人公で元の世界ではゲームクリエイターをしていたが、自分の作ったゲームによく似た世界へ微妙に若返りつつ転移してしまう。

好奇心旺盛な性格で行動より思考を優先するタイプ。

連れ合いの機巧姫は葵の君。

葵の君(あおいのきみ)

主人公の連れ合い(パートナー)である機巧姫。髪の色が銘と同じ葵色で胸の真ん中に同色の勾玉が埋め込まれている。

人形としては最上位の存在で、外見や行動など、ほとんど人間と変わりがない。

主人公のことを第一に考え、そのために行動をする。

淡渕澪(あわぶち・みお)

関谷国の藤川家に仕える知行三百石持ちの侍で操心館に所属する候補生の一人。水縹の君を所有しているが連れ合いとして認められてはいない。

人とは異なる八岐と呼ばれる種族の一つ、木霊に連なっており、癒しの術を得意とする。また動物や植物ともある程度の意思疎通ができる。

大平不動(おおひら・ふどう)

操心館に所属する候補生の一人で八岐の鬼の一族に連なる。

八岐の中でも鬼は特に身体能力に優れており、戦うことを至上の喜びとしている。不動にもその傾向があり、強くなるために自己研鑽を怠らない。

直情的で考えるより先に体が動くタイプで、自分より強いと認めた相手に敬意を払う素直さを持つ。

紅寿(こうじゅ)

澪に仕える忍びで、八岐に連なる人狼の少女。オオカミによく似たケモノ耳と尻尾を有している。

人狼の身体能力は鬼と並ぶほど高く、その中でも敏捷性は特に優れている。忍びとしても有能。

現在は言葉を話せないもよう。

翠寿(すいじゅ)

澪に仕える忍びで、紅寿の妹。人狼特有のケモノ耳と尻尾を有する。

幼いながらも誰かに仕えて職務を果たしたいという心根を持つがいろいろと未熟。

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