第47話2
文字数 650文字
申し遅れました。津島屋主人のウトウ・ウヘエと申します。
今日はどのようなご用件でしょうか。操心館には機巧姫を連れ合いにした方が集められていると耳にしていたのですが
並んでいる人形の多くは木目がそのままになっている。
フィギュアであれば彩色前の素体状態といえばわかりやすいだろうか。そのため木彫りの木像といった風情である。
そうだったのか。
せっかく足を運んだのに残念だ。このやり取りも耳に入っていない様子の二人の背中を見やる。
二人はまるで中高生のような話題で盛り上がっていた。
気持ちはわからないでもないけど、もう少し声は落としていただきたいところだ。