第26話3
文字数 933文字
澪の領地は国王様に献上するような良質な馬を育ててるのか。
ちなみに厩舎につながれていた馬はサラブレッドみたいな大型で足の細いタイプではなく、木曽馬のような中型でガッチリした体躯だった。速度よりも力強さ、足腰の強さが要求されているのだろう。
そういえば献上する馬を一番いいやつにしちゃうとジリ貧になるんだよね。もしも一番いい馬ばかりを献上しているのだとしたら教えた方がいいのかも。
なるほど、そういう理由か。
もともと侍っていうのは「騎馬戦闘を許された武士」だもんな。
江戸時代だと藩によっては藩士を大きく三つに分類していて、それが侍、
このうち侍と徒士が
戦場で一番多い兵卒である足軽は士分に該当しない。ここには明確な線引きが存在する。
その士分のうち騎乗を許される上級武士のことを侍といって区別した。
現実の日本との違いはあるだろうけど、簡単に言ってしまえば侍は戦士として超エリートなわけだ。
武芸百般を磨き、馬に乗ることが許された人たち。
そしてこの世界では機巧武者になれる機巧操士は侍を超えた超々エリートという扱いなのだろう。
侍ができることならば機巧操士はできて当然。だから馬にも乗れる。当たり前というわけだ。
……僕は馬になんて乗ったことありませんけどね?