第13話3

文字数 458文字

あ、履き物は脱がないでも大丈夫だよ。

そのまま上がっていいからね

ここが目的地なの? 

まだ新しい建物みたいだけど

私が所属している操心館だよ。

できたばかりだから建物は新しくて綺麗なんだけど、まだいろいろと揃ってなくて

そういえば門にも書いてあったね。

何をするところなのか聞いてもいい?

機巧操士の育成だって。

私もその一人で、すでに機巧操士となっている人や素質がありそうだと認められた人たちが国中から集められて、ここに住み込みで訓練をするの

 なるほど。つまるところ寮制度がある学校みたいなものだな。

 練武をするための建物もあるみたいだし、人を集めて集中的にトレーニングをさせる腹積もりだろうか。各々が独自理論で勝手にやるよりも効率的かもしれない。

と言っても、実際に機巧武者として戦えるのは師範のヒロハタ様を除くと操心館には二人しかいないんだけどね。

あとの人は機巧姫がいなかったり、私みたいに機巧姫がいても認められてなかったりで

 ヒロハタ様っていうのは癒し手として澪に従軍を頼んだ人だったな。

 師範ということは、ここの先生なのか。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

不吹清正(ふぶき・きよまさ)

本作の主人公で元の世界ではゲームクリエイターをしていたが、自分の作ったゲームによく似た世界へ微妙に若返りつつ転移してしまう。

好奇心旺盛な性格で行動より思考を優先するタイプ。

連れ合いの機巧姫は葵の君。

葵の君(あおいのきみ)

主人公の連れ合い(パートナー)である機巧姫。髪の色が銘と同じ葵色で胸の真ん中に同色の勾玉が埋め込まれている。

人形としては最上位の存在で、外見や行動など、ほとんど人間と変わりがない。

主人公のことを第一に考え、そのために行動をする。

淡渕澪(あわぶち・みお)

関谷国の藤川家に仕える知行三百石持ちの侍で操心館に所属する候補生の一人。水縹の君を所有しているが連れ合いとして認められてはいない。

人とは異なる八岐と呼ばれる種族の一つ、木霊に連なっており、癒しの術を得意とする。また動物や植物ともある程度の意思疎通ができる。

大平不動(おおひら・ふどう)

操心館に所属する候補生の一人で八岐の鬼の一族に連なる。

八岐の中でも鬼は特に身体能力に優れており、戦うことを至上の喜びとしている。不動にもその傾向があり、強くなるために自己研鑽を怠らない。

直情的で考えるより先に体が動くタイプで、自分より強いと認めた相手に敬意を払う素直さを持つ。

紅寿(こうじゅ)

澪に仕える忍びで、八岐に連なる人狼の少女。オオカミによく似たケモノ耳と尻尾を有している。

人狼の身体能力は鬼と並ぶほど高く、その中でも敏捷性は特に優れている。忍びとしても有能。

現在は言葉を話せないもよう。

翠寿(すいじゅ)

澪に仕える忍びで、紅寿の妹。人狼特有のケモノ耳と尻尾を有する。

幼いながらも誰かに仕えて職務を果たしたいという心根を持つがいろいろと未熟。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色