第15話3
文字数 896文字
おう、即答ですか。
いいですね。当方に拒否する理由はございませんことよ。
彼女は湯浴衣を着ていたけど、湯船に浸かっているのでぴったりと肌に張り付いていた。
今なら薄い桜色をした二つのぽっちが見える気がする。
いや、待て待て。これは駄目だ。ここから先は十八歳未満は禁止だ。
でも待てよ。僕の実年齢は二十六歳だから問題ないのではなかろうか。
……いかん、落ち着け、不吹清正。クールになるのだ。
ケモノ娘と一緒にお風呂に入るという夢が叶ったからといって暴走するわけにはいかない。
これはつまり、翠寿ちゃんが僕の背中を流してくれるってこと?
え? え?
そんなこと許されるんですか?
どうして?と言いたそうに首をかしげている。
ああ、本当にかわいいなあ。
パタパタと濡れた耳が水を飛ばす仕草とか最高じゃないか。
それにほんのり頬が赤くなっているのもいい。
翠寿の顔から視線を離さないようにして心を落ち着ける。
大丈夫、僕は冷静だ。
きっと気が付かれてはいない……よし。
ざばりと音を立てながら湯船から上がる。
小さな手で手ぬぐいを持って背中を洗ってくれる。
ああ、なごむ……最高だ。生きててよかったあ。
この子、お持ち帰りできないかなあ。
葵と二人で三体の機巧武者を倒したけど、あれは僕単独でできることではないしなあ。
むしろ紅寿に股間を蹴られて悶絶した例をあげれば僕は弱い。
いや、あれは犬が好きだという弱点を突かれたからであって、次はきっと……同じ展開になりそうだ。