第30話2
文字数 871文字
言いながら仰向けになろうとする。
僕の動きを察した葵が無言で膝枕をしてくれた。
実に気が利くなあ。
うん、いつもの澪だった。
もしも澪から相談を持ちかけてきたら、そのとき初めて一緒に悩み、考えればいい。
なにしろ三百石も給料としてもらえることになってるからな。
江戸時代だと蔵前取りの旗本や御家人は給料を米で支給をされ、商人に手数料を払って現金にする必要があったけど、喜ばしいことにここ関谷ではいつもニコニコ現金払いだ。
給料という形で年三回に分けてもらえるのだけど、とりあえず百石分が支給されている。
一石は一両で、一両がおよそ十万円だとすれば、僕は一千万も手元にあるわけだ。いやぁ、藤川様も太っ腹だよね!
むしろこんなにもらっても使い道に悩みそうだ。貯金っていっても銀行があるわけじゃないしなあ。可処分所得は何かの投資に使えばいいんだろうか。