第21話1 お城での食事を終えて操心館へと戻ってきた
文字数 812文字
お城での食事を終えて操心館へと戻ってきた。
外はすっかり暗くなっている。
道中に外灯の類は一切なく、本当に真っ暗だった。提灯を持った澪がいっしょにいてくれなかったら、足がすくんで動けなかったかもしれない。
案内された先は襖で仕切られた八畳二間の部屋だった。
印象としてはちょっといい感じの和風旅館ってところだ。落ち着いた雰囲気で悪くない。何より畳敷きというのがいい。
畳の上なら板間と違ってごろりと横になることも可能だ。そういうのに憧れていたんだよ。僕の部屋はフローリングだったからな。
手前の部屋の隅には文机がある。こちらが普段使いの部屋で、奥が寝室だろうか。
二部屋あるのなら僕と葵で使い分ける形でいいかな。
葵に部屋の奥を使ってもらって、僕がこちらの部屋を使おう。
上士とはつまり上級武士のことだ。
知行を持つ澪だって上士だろうに。
操心館に所属している操士もそれに加わっているそうだ。