第13話2
文字数 658文字
戦国時代あたりだと固定の市場はまだないところがほとんどで、月に何日か定期的に開かれる感じだったらしい。
近隣の村々で順番に市が開催されるので、扱っている商品が多い商人は市が開かれる村を渡り歩いて売りさばいていたという。
今は人が少ないというけど関谷のいつもの姿も見てみたいものだ。
設定でしかなかったものが、こうして目の前にある。そのことに感動しないクリエイターはいないだろう。
連れてこられた先は町の中心から少し離れていた。
町の中心部から距離があるためか、この辺りはほとんど道行く人がいない。
足が向いている先に、ぐるりと板塀が巡らされている建物がある。どうやらここが目的地らしい。
ところどころに櫓も設置されている。要塞というよりは陣屋だろうか。
澪に続いて門をくぐる。
門のところには大きな板に
門を入ったすぐ先には二階建ての真新しい木造建築物がある。驚いたのはどことなく洋風を思わせるからだ。
正面は八角の柱を八角形に配置した腰屋根。玄関ポーチは八角形の板石が敷き詰められ、外壁は下見板張りになっていた。
建物に沿ってずーと視線を送ると大きな講堂らしきものが見える。その隣にあるのは弓道場だろうか。
お寺や神社にしては施設がそぐわない。
僕の知識の中で該当するとしたら学校だろうか。
土足のまま澪は玄関に上がる。