第52話1 そんなのがお土産で本当にいいのかなぁ
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翌日、手土産を持って中伊さんの所へお邪魔することにした。
同行者は葵、澪、それから翠寿だ。
紅寿は操心館でやらなければいけない仕事があり、不動は日課の鍛錬をするので別行動だった。
手土産として桜の葉を使ったお菓子を買い求めている。
塩漬けした桜の葉で淡く色づいたお饅頭を包んである関西風の桜餅に似た品だ。
店先で一ついただいたけど葉っぱから移ったほのかな香りと餡の控えめな甘みが感じられてなかなか美味しい。
ただし一個当たりの大きさは見知っている桜餅よりずっと大きいんだけど。
今回はそこが主目的ではない。
あくまで様子がおかしかった中伊さんや笠置屋を休んでいる紀美野さんのご機嫌伺いに行くだけだ。