第41話2
文字数 614文字
いくつかある通りを曲がると目的の場所が見えてきた。
このあたりは通りに面して建物が解放されており、庇の下に机を置いて商品を並べている。
ここって小物を扱ってるお店だよね。
しかも、結構、いいお値段のする
看板には永寶屋とある。
澪の言う通り机には箱に入った綺麗な小物が並べられていた。
二人の会話を聞いて周囲を確認する。
確かに道行く人たちの何人かは僕たちを見ているようだった。ただしその視線の多くは葵に向けられている。
葵があんまり綺麗だからじゃないの。気にしない方がいいよ
葵を連れて歩いているとすれ違う人の多くが振り返る。それをいちいち気にしても仕方がない。
ちらっと紅寿が僕の顔を見た後、握っていた澪の袖から手を放す。
こういうのを体験するとゲームで高レアキャラを持っているユーザーの気持ちがなんとなくわかる。羨望の眼差しを向けられるのって心くすぐられるもんな。
にっこりと微笑んで迎えてくれたのは居酒屋で会った紀美野さんだった。
昨夜のお酒と食事は美味しかったです。
こちらもアルバイト――お手伝いですか?
実はここ、わたしの家なんです。
お父さん! お父さん! 昨日話した機巧姫だよ
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