第7話3
文字数 644文字
そう言われてもなあ。
目的もなく動き回るのはできれば避けたい。
何事も計画を立ててから実行し、その結果を検証するべきだ。
自由にゲームを作れることはまずない。何かしら制限が必ずあるからだ。
それは予算であったり、スケジュールであったり、スタッフであったりする。
予算が限られていれば工数がかかる企画は難しいし、短期間で形にしなければならない場合だとシステムを新規に用意せずにありものに手を加えて利用することもある。
それを夢がないと言ってしまってはおしまいだ。
だからゲームクリエイターは制限のある中で最良を目指してゲーム作りをする。
自分が作ったゲームの世界に入り込み、キャラクターと会話ができるなんてクリエイター冥利に尽きると言うものだ。
ここで見たり聞いたり体験したことを現実のゲームに落とし込んでみたい。
そして僕がこの世界で楽しいと感じたことを、ゲームを通じてプレイヤーにも体験してもらいたい。
クリエイター魂が激しく刺激されている。
妥協と惰性に流されて感性が摩耗していくばかりだと思っていた。
でも自分の中にちゃんと残っていたんだな。この熱い気持ちはこれからも大切にしたい。