154、アラビア語の長母音(2)
文字数 1,176文字
ペドロ2世は前回スーク(市場)に使われている3つの文字、スィーン(歯)、ワーウ(鉤)、カーフ(針穴)は市場には売ってない小さなものばかり集めたとこじつけていました。今度は学生とは関係ない大きなものばかりだと言うのですか?
ターリブ(学生)とは学ぶ人です。僕の時代もそうですが、昔は学校で学ぶことが出来るのは少数の恵まれた子供だけでした。ター(車輪)は馬車などの車輪ではなく、運命の輪を象徴しています。僕もそうですが、学ぶことができた者は自分の運命を変えることができます。そしてアリフ(雄牛)は富や権力の象徴でもあります。学んで知識を得た者は運命の輪を動かすことができ、動かすのに必要なのがラーム(突き棒)です。運命の輪を動かすことができれば、富や権力を手に入れて家を買うこともできる、学生となって学ぶことができれば、豊かな未来を手に入れることができるのです。
でも知識というものは、必ずしもいいことばかりに使われているわけではありません。知恵を使えば、自分勝手な解釈で多くの人を惑わせ、動かすことができてしまうのです。学生となって学べば、悪い知恵を身に付け、今までの宗教、政治体制、思想を捻じ曲げてしまうこともできます。運命の輪を回す突き棒を手に入れた者は個人が富や権力を得るだけではない、国を動かし滅ぼす力も持ってしまうのです。