150、後ろに続かない文字(2)

文字数 891文字

アラビア文字の中には連結形でも後ろに文字が続かない字が6つあります。後ろに続かない文字についての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
後ろに続かない文字について実際によく使われている言葉から見ていこう。アラビア語で男の子はワラドと言う。
使われている文字はワーウ(w)、ラーム(l)、ダール(d)の3つの文字です。フェニキア文字、ヘブライ文字のワウ(鉤)、ラメド(突き棒)、ダレト(扉)に対応します。
男の子というものは、ワーウ(鉤)とラーム(突き棒)で武装してダール(扉)から勢いよく外へ出て行くものなのか。
ヴェンツェル、うまいではないか。
いや、まだまだペドロ2世師匠にはかなわない。
アラビア語のワラドを連結形にすると、語頭のワーウは後ろに文字を続けないから独立形と同じ形で書く。そして次のラームを語頭の形で書き始め、最後のダールにつなげる。ダールもまた後ろに文字が続かないが、語尾なので、そのまま語尾の形で書けばよい。
後ろに続かない文字が語頭にきた時は独立形と同じ形になり、次の字を語頭の形で書けばいいのですね。
手をつなぎたくないなどとわがままを言うから、他の文字が苦労する。
いや、後ろに続かない文字というのはそれなりに深い理由があってそうしているのだ。
ラームとダールの連結形はよく似た形をしていますね。縦線の長さが違うだけです。
そう、ラームとダールのように連結形にしても縦線の長さが違うものははっきり区別がつく。だがダールとラーのようによく似た形、大きさの文字は連結形にするとよくわからなくなってくる。後ろに続かない文字というのは、己の形、アイディンティティを守るために、あえて手を伸ばすことを避け、孤独に耐えるようになった。
アイディンティティを守るために孤独に耐える、ペドロ2世師匠の言葉は哲学的でもある。
そして最後に母音の発音記号をつける。ファトハ(a)が2つと最後がダンマ(u)だ。ダンマ(u)とスクーン(子音のみ)はよく似ているから気をつけたほうがいい。
スクーン(子音のみ)がないということは、全ての子音に母音をつけてはっきり発音するということですね。
その通りだ。
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