15、ウガリットの神話

文字数 1,149文字

ハンニバルの名前がバアル神に由来するところから始まったウガリットシリーズ、最後にウガリット神話について紹介します。作品集は下の画像から入ってください。
都市国家としてのウガリットは紀元前1200年ごろに『海の民』の侵入によって破壊されました。
その『海の民』というのが何者なのか気になる。
都市国家ウガリットは紀元前1200年に破壊されるのですが、発見された粘土板文書には物語詩の形式で書かれた神話が多く含まれていました。
粘土板に神話が書かれていたとは興味深い話だ。
ウガリット神話の最高神はイルです。エールはセム語で神という意味で広く使われ、旧約聖書の『ヤハウェ』アラビア語で『イラーフ』ウガリット語やアッカド語で『イル』と呼ばれていました。ミカエル、ガブリエル、ラファエルなど天使の名前のエルもこの『エール』からきています。
バアルはウガリット神話で最高神イルの息子、あるいはダゴンの子バアルとも呼ばれています。勝利の女神アナトの兄で夫でもあります。
多神教の神はギリシャ神話にも似ている。ゼウスもまたヘラと結ばれている。
バアルの父とも呼ばれたダゴンは古代メソポタミアおよび古代カナンの神でした。ヘブライ語のダグと似ているために間違って下半身が魚形の海神と考えられたりもしました。旧約聖書の中ではペリシテ人の崇拝した神として悪魔扱いされています。
13世紀に修道士として生きていた頃はなんの疑問も抱かずに聖書を読んでいた。だが歴史について詳しくなると、旧約聖書の中で異教徒の神が悪魔や邪心として貶められていたことがよくわかる。
バアルは嵐と豊穣の雨の神で海神ヤムや死の神モートは兄弟でありながら敵対していました。
ギリシャ神話のゼウス、ポセイドン、ハデスとよく似ていますね。
多神教の神話ではよくあることですが、このバアル対アナト、バアル対モートの戦いがかなり残酷で、遺体をバラバラにしたり、身代わりの子を飲み込んだりという表現が出てきます。
神話は長い時代をかけて少しずつ話が付け加えられ、より衝撃的な結末となって伝えられてきた。
キリストが生まれる前の紀元前に本当に長い歴史があり、さまざまな神話が伝えられてきたのですね。
都市国家ウガリットは紀元前1200年に破壊された。だが、その時代に作られた神話はおよそ1000年後のハンニバルが活躍する時代にも残っていた。バアル神への信仰は続いて神殿が作られていた。子供の名前に使われ、バアルの神殿でローマへの復習を誓わせている。
ハンニバルの強さもバアル神への信仰があったからなのか。
おそらくそうであろう。個人の力だけでなく信仰心があればこそカリスマ性も生まれて周りの者もついていき力を発揮することができる。話がかなり脱線したが、次回からはハンニバルの話に戻ることにしよう。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色