116、アルキメデス(4)
文字数 946文字
工学分野におけるアルキメデスの業績には、彼の生誕地であるシラクサに関連する。ギリシア人著述家のアテナイオスが残した記録によると、ヒエロン2世はアルキメデスに観光、運輸、そして海戦用の巨大な船「シュラコシア号」の設計を依頼したという。
この規模の船になると浸水も無視できなくなるため、アルキメデスはアルキメディアン・スクリューと名付けられた装置を考案し、溜まった水を掻き出す工夫を施した。これは、円筒の内部にらせん状の板を設けた構造で、これを回転させると低い位置にある水を汲み上げ、上に持ち上げることができる。アルキメディアン・スクリューはねじ構造を初めて機械に使用した例として知られている。
アルキメデスの鉤爪とは、シラクサ防衛のために設計された兵器の一種である。「シップ・シェイカー」とも呼ばれるこの装置は、クレーン状の腕部の先に吊るされた金属製の鉤爪を持つ構造で、この鉤爪を近付いた敵船に引っ掛けて腕部を持ち上げることで船を傾けて転覆させるものである。