72、ポエニ戦争(38)

文字数 1,172文字

カンナエの戦いについての続きです。作品集には下の画像から入ってください。
戦闘開始と同時に、ローマ軍の重装歩兵はカルタゴの歩兵戦列を突破するために前進した。ヒスパニア・ガリア歩兵は少しずつ押されていたが、弓なりの配置のおかげで、ローマ軍中央の前進速度を多少緩やかにすることができた。
私は戦争については実戦の経験がないのでよくわからないのですが、ここまでは普通の戦いですよね。
ハンニバルはカルタゴ軍の中ではヒスパニア・ガリア歩兵が弱くて犠牲が出ることはわかっていた。だが弓なりの配置にすることでローマ軍の前進を遅らせることができた。
その間にカルタゴ軍左翼のヒスパニア・ガリア騎兵が優勢な戦力でローマ軍の右翼騎兵を圧倒し、これを壊走させた。一方、カルタゴ軍右翼のヌミディア騎兵とローマ軍左翼の同盟国騎兵は互角の戦いを繰り広げていた。
全てのところでカルタゴ軍が圧倒的に有利というわけではなかったのですね。
自軍の戦列中央が圧倒されつつあるのを見たハンニバルは、両翼のカルタゴ歩兵を前進させ、ローマ軍戦列の両翼を押し込んだ。一方、ローマ軍の右翼騎兵を壊走させたハスドルバル指揮下のヒスパニア・ガリア騎兵は、大きくローマ軍の背後を駆け抜けると、自軍のヌミディア騎兵と交戦しているローマ軍左翼の同盟国騎兵を背後から狭撃した。
つまり目の前の敵をやっつけた騎兵が大きく動いて今度は反対側にいる騎兵を背後から攻撃したというわけですね。
ああ、なんて素晴らしい戦いだ!聞いていて胸が熱くなる。
戦力的に劣勢となった同盟国騎兵はほどなく壊走を始めた。カルタゴ騎兵は逃げる同盟国騎兵を追わず、今度はローマ軍中央の後方へと回り込んだ。
ローマ軍は危ない状況になっています。
ローマ軍の中央線列は、ほとんどカルタゴ軍中央を突破しかけていたが、戦列の両翼にいるカルタゴ歩兵はいまだに優勢であり、その方面のローマ軍は前進することができなかった。この時点で、ローマ軍中央の陣形はV字になりつつあった。そこへ両翼のローマ軍騎兵を壊走させたカルタゴ軍騎兵が後方から襲い掛かってきた。
これはもしかしたら・・・そうか、そういうことか。だからこのカンナエの戦いは歴史に残る有名な戦いになった。
ペドロ2世にはすぐにわかったみたいですが、私はまだローマ軍が危ないなあと思うぐらいです。
後方を突かれたローマ軍はパニック状態に陥って極度に密集したため、中央の兵は圧死する者まで現れた。前方をガリア歩兵、両側面をカルタゴ歩兵、後方をカルタゴ騎兵によって完全包囲下に置かれたローマ軍は、逃げることも中央突破もできずに殲滅されることとなった。
やった、完全包囲が実現した!
でもこれはカルタゴ軍にとって爽快でもローマ軍には悲惨だと思います。
この戦闘で、ローマ軍は多くの犠牲が出た。そのことは次回詳しく話すことにしよう。
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